2026年6月〜2027年5月の試験(法令基準日 2026年4月1日)に対応しています。 内容は2026年4月1日時点の相続税法・所得税法・同法施行令の条文で確かめています。

最初に見るのは「保険料を負担した人」

試験では「契約者(=保険料負担者)」として出題されるのが普通です。 条文が見ているのはだれが保険料を負担したかなので、契約者と保険料負担者が違うと書かれていたら負担者で判断します。

死亡保険金:3つのパターン

保険料負担者(契約者) 被保険者 受取人 かかる税金 根拠
相続税 相続税法3条1項1号
所得税(一時所得)・住民税 所得税法34条
贈与税(夫から子への贈与とみなす) 相続税法5条

見分け方は次のとおりです。

  • 保険料負担者=被保険者(自分に掛けた保険で自分が亡くなった)→ 相続税
  • 保険料負担者=受取人(自分が払った保険料で自分が受け取った)→ 所得税
  • 3人とも別の人贈与税

満期保険金:2つのパターン

満期保険金には被保険者の死亡がないので、相続税にはなりません。

保険料負担者 受取人 かかる税金
所得税(一時所得)
贈与税

相続税になる死亡保険金の非課税限度額

相続人が受け取った死亡保険金には、非課税枠があります(相続税法12条1項6号)。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

  • 「法定相続人の数」は、相続税の基礎控除と同じ数え方です(同法15条2項)。相続を放棄した人も数に入れる。養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までしか数えない
  • 非課税枠を使えるのは相続人が受け取った保険金だけです。相続を放棄した人や、相続人でない人が受け取った保険金には使えません(同法3条1項で、ここでいう相続人から放棄した人を除いている)
  • 相続人が複数で受け取り、合計が限度額を超えるときは、受け取った保険金の割合で限度額を分けます(同法12条1項6号ロ)

例題

夫が亡くなり、相続人は妻と子2人。夫が保険料を負担し被保険者だった生命保険の死亡保険金3,000万円を、妻が1人で受け取った。

  • 非課税限度額 = 500万円 × 3人 = 1,500万円
  • 相続税の課税対象 = 3,000万円 − 1,500万円 = 1,500万円

子の1人が相続を放棄していても、法定相続人の数は3人のままです。

所得税(一時所得)になる場合の計算

一時所得の金額は次のとおりです(所得税法34条2項・3項)。

一時所得 = 受け取った保険金 − 払い込んだ保険料 − 特別控除(最高50万円)

さらに、総所得金額に入れるのは一時所得の金額の2分の1です(同法22条2項2号)。

例題

夫が保険料400万円を負担し、妻を被保険者とする保険で、夫が死亡保険金1,000万円を一時金で受け取った。

  • 一時所得 = 1,000万円 − 400万円 − 50万円 = 550万円
  • 総所得金額に算入する額 = 550万円 × 1/2 = 275万円

年金で受け取る場合・給付金の場合

  • 個人年金保険の年金や、保険金を年金形式で受け取る場合、毎年の年金は雑所得です(所得税法35条、同法施行令183条で払込保険料相当額を必要経費に入れる)
  • 被保険者などが受け取る入院給付金・手術給付金など、身体の傷害や疾病によって生命保険契約から支払われる給付金は非課税です(所得税法9条1項18号、同法施行令30条1号)

間違えやすいポイント

  • 「契約者=受取人」を見て相続税と答えてしまうミス。自分が払って自分が受け取るのは所得税
  • 非課税限度額の「法定相続人の数」で放棄した人を除いてしまうミス。数には入れる
  • 一時所得は「50万円を引いてさらに2分の1」。2分の1を忘れやすい
  • 満期保険金に相続税はかからない

覚え方のまとめ

  • 負担者=被保険者は相続税、負担者=受取人は所得税、全員別は贈与税
  • 非課税は500万円×法定相続人、放棄した人も数えるが、放棄した人は使えない
  • 一時所得は −保険料 −50万円、総所得には半分