2026年6月〜2027年5月の試験(法令基準日 2026年4月1日)に対応しています。 内容は2026年4月1日時点の建築基準法(42条・52条・53条)と同法施行令2条の条文で確かめています。

2つの割合の意味

建ぺい率(53条) 容積率(52条)
何の割合か 建築面積 ÷ 敷地面積 延べ面積(各階の床面積の合計)÷ 敷地面積
何を制限するか 建物の「広がり」 建物の「ボリューム(階数の多さ)」
求める最大値 最大建築面積 = 敷地面積 × 建ぺい率 最大延べ面積 = 敷地面積 × 容積率

容積率:前面道路の幅員が12m未満なら2つを比べる

前面道路(2つ以上あれば幅員が最大のもの)の幅員が12m未満のときは、次の2つのうち小さいほうが容積率の上限です(52条2項)。

  1. 都市計画で定められた容積率(指定容積率)
  2. 前面道路の幅員(m)× 法定乗数
用途地域 法定乗数(原則)
住居系(低層住居専用・中高層住居専用・第一種/第二種住居・準住居・田園住居) 4/10
その他(近隣商業・商業・準工業・工業・工業専用など) 6/10

特定行政庁が指定する区域では、住居系が6/10、その他が4/10または8/10になることがあります。試験では問題文に書かれた数値を使います。

例題1

敷地面積200m²、第一種住居地域、指定建ぺい率60%、指定容積率300%、前面道路の幅員6m。

  • 道路による容積率 = 6 × 4/10 = 24/10 = 240%
  • 指定容積率300%と比べて小さいほう → 240%
  • 最大延べ面積 = 200m² × 240% = 480m²
  • 最大建築面積 = 200m² × 60% = 120m²

指定容積率300%をそのまま使って600m²と答えるのが典型的なミスです。

建ぺい率の緩和(53条3項・6項)

条件 緩和
防火地域内の耐火建築物等(指定建ぺい率80%の地域を除く) +10%
準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等 +10%
特定行政庁が指定する角地 +10%
上の防火・準防火の条件と角地の両方 +20%
指定建ぺい率80%の地域で、防火地域内の耐火建築物等 制限なし(100%)

例題2

例題1の敷地が特定行政庁の指定する角地で、準防火地域内に準耐火建築物を建てる場合。

  • 建ぺい率 = 60% + 10%(準防火地域の準耐火建築物)+ 10%(角地)= 80%
  • 最大建築面積 = 200m² × 80% = 160m²

容積率には、この防火・角地の緩和はありません。

敷地が2つの用途地域にまたがるとき(52条7項・53条2項)

建ぺい率も容積率も、それぞれの部分の面積で加重平均します(面積の大きいほうの地域に合わせるのではない)。 実際の試験では、部分ごとに最大面積を出して足すと速く解けます。

例題3

前面道路の幅員8m。敷地のうち、

  • A部分:第一種住居地域 120m²(指定建ぺい率60%、指定容積率200%)
  • B部分:商業地域 80m²(指定建ぺい率80%、指定容積率400%)

最大建築面積

  • A:120m² × 60% = 72m²
  • B:80m² × 80% = 64m²
  • 合計 136m²

最大延べ面積(道路の制限はそれぞれの地域の乗数で確かめる)

  • A:8 × 4/10 = 320% と 200% → 200%。120m² × 200% = 240m²
  • B:8 × 6/10 = 480% と 400% → 400%。80m² × 400% = 320m²
  • 合計 560m²

セットバック(42条2項)

  • 幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したもの(いわゆる2項道路)は、道路の中心線から2mの線が道路の境界線とみなされます
  • 道の反対側が崖地や川などの場合は、反対側の境界線から4mの線が境界線になります
  • 境界線とみなされた線と道の間の部分(セットバック部分)は、敷地面積に算入しません(施行令2条1項1号)

例題4

間口10m、奥行き20mの敷地(200m²)が、幅員3mの2項道路に接している。反対側は一般の宅地。

  • 中心線から2m下がるので、後退する幅 = 2m − 1.5m = 0.5m
  • セットバック部分 = 10m × 0.5m = 5m²
  • 建ぺい率・容積率の計算に使う敷地面積 = 200m² − 5m² = 195m²

覚え方のまとめ

  • 容積率は指定と道路(住居4/10・その他6/10)の小さいほう」、ただし道路幅員12m未満のとき
  • 建ぺい率は防火・準防火で+10%、角地で+10%、両方で+20%
  • 80%地域の防火地域内の耐火建築物は建ぺい率の制限なし
  • またがる敷地は部分ごとに計算して足す
  • 2項道路は中心線から2m、セットバック部分は敷地面積に入れない