2026年6月〜2027年5月の試験(法令基準日 2026年4月1日)に対応しています。 内容は2026年4月1日時点の民法(887条〜901条・1042条)と相続税法(12条・15条)の条文で確かめています。

相続人になる人と順位

  • 配偶者は常に相続人(民法890条)
  • 配偶者と一緒に相続人になるのは、次の順位で最も先の順位の人だけ
順位 相続人 根拠
第1順位 (亡くなっていれば孫などが代襲) 887条
第2順位 直系尊属(父母。父母がいなければ祖父母) 889条1項1号
第3順位 兄弟姉妹(亡くなっていればその子=甥・姪が代襲) 889条1項2号

子が1人でもいれば、父母や兄弟姉妹は相続人になりません。

法定相続分(民法900条)

相続人の組合せ 配偶者 血族
配偶者と 1/2 子全体で 1/2
配偶者と直系尊属 2/3 直系尊属全体で 1/3
配偶者と兄弟姉妹 3/4 兄弟姉妹全体で 1/4
  • 同じ順位の人が複数いれば、均等に分ける(900条4号)
  • 父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(半血)の相続分は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の2分の1
  • 配偶者がいなければ、その順位の血族だけで全部を分けます

代襲相続

  • 子が相続開始以前に死亡していたとき、または欠格・廃除で相続権を失ったときは、その子(孫)が代わりに相続人になる(887条2項)。孫も亡くなっていれば、ひ孫へと何代でも続く(同条3項)
  • 兄弟姉妹の代襲は、その子(甥・姪)までの1代限り(889条2項は887条2項だけを準用し、3項は準用していない)
  • 相続を放棄した人の子は代襲しない(代襲の原因は死亡・欠格・廃除だけ)
  • 代襲相続人の相続分は、親が受けるはずだった相続分を、代襲相続人の人数で分ける(901条)

例題1 法定相続分

被相続人Aの相続人は、妻B、長男C、そして相続開始前に亡くなった二男Dの子E・Fの2人。

  • 妻B:1/2
  • 子の分1/2を、長男Cと二男D(代襲)で等分 → 各1/4
  • 長男C:1/4
  • 孫E・F:二男Dの1/4を2人で分けて各 1/8

例題2 兄弟姉妹に半血がいる場合

被相続人の相続人は、妻と、父母の双方が同じ兄Gと、父だけが同じ弟H。子も父母もいない。

  • 妻:3/4
  • 兄弟姉妹の分1/4を、G:H = 2:1 で分ける
  • 兄G:1/4 × 2/3 = 1/6
  • 弟H:1/4 × 1/3 = 1/12

遺留分(民法1042条)

遺言でも奪えない最低限の取り分です。

  • 兄弟姉妹には遺留分がない
  • 全体の遺留分の割合は、直系尊属だけが相続人なら1/3、それ以外は1/2
  • 各人の遺留分 = 全体の遺留分 × その人の法定相続分
    • 例:相続人が妻と子2人なら、妻 1/2 × 1/2 = 1/4、子は各 1/2 × 1/4 = 1/8

相続税の遺産に係る基礎控除(相続税法15条)

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

課税価格の合計がこの額以下なら、相続税はかかりません。

「法定相続人の数」の数え方(15条2項・3項)

  • 相続を放棄した人も、放棄がなかったものとして数に入れる
  • 養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までしか数えない
  • ただし、特別養子配偶者の実子で被相続人の養子になった人、実子・養子の代襲相続人実子とみなす(養子の人数制限を受けない)

例題3

相続人は、妻、長男、二男(相続を放棄)、養子2人。実子がいる。

  • 実子:長男・二男(放棄しても数える)= 2人
  • 養子:実子がいるので1人だけ数える
  • 法定相続人の数 = 妻1 + 実子2 + 養子1 = 4人
  • 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 4 = 5,400万円

同じ「法定相続人の数」を使う非課税枠

相続人が受け取った死亡保険金死亡退職金には、それぞれ次の非課税限度額があります(相続税法12条1項6号・7号)。

500万円 × 法定相続人の数

例題3のケースなら 500万円 × 4 = 2,000万円 です。ただし、この非課税枠を使えるのは相続人が受け取った分だけで、相続を放棄した二男が受け取った保険金には使えません。

間違えやすいポイント

  • 「配偶者と直系尊属なら配偶者は1/2」は誤り。2/3
  • 兄弟姉妹の代襲は甥・姪まで。子の代襲は何代でも
  • 相続放棄した人の子は代襲しない。しかし相続税の基礎控除では、放棄した人を数に入れる
  • 養子の数え方は「実子あり1人・実子なし2人

覚え方のまとめ

  • 配偶者の取り分は「子と1/2、親と2/3、兄弟と3/4
  • 遺留分は兄弟姉妹なし、親だけなら1/3、ほかは1/2
  • 基礎控除は3,000万+600万×人数、非課税枠は500万×人数