2026年6月〜2027年5月の試験(法令基準日 2026年4月1日)に対応しています。 債券の利回りは計算の約束ごとなので、法令の改正とは関係がありません。単利・額面100円あたりで考えるのが試験の決まりです。
用語の確認
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 額面 | 満期(償還)のときに返ってくる金額。試験では100円として計算する |
| 表面利率(クーポン) | 額面に対して毎年受け取る利子の割合。1.0%なら毎年1円 |
| 発行価格 | 新しく発行されたときの価格。100円未満ならアンダーパー発行 |
| 購入価格・売却価格 | 途中で売買したときの価格 |
| 償還 | 満期に額面が返ってくること |
4つの利回りは「1年あたりの利益 ÷ 買った値段」
どの利回りも、形は同じです。
利回り(%)={表面利率 +(受け取る額 − 買った値段)÷ 年数}÷ 買った値段 × 100
| 利回り | 買った値段 | 受け取る額 | 年数 |
|---|---|---|---|
| 応募者利回り | 発行価格 | 額面(100円) | 償還までの期間 |
| 最終利回り | 購入価格 | 額面(100円) | 残存期間 |
| 所有期間利回り | 購入価格 | 売却価格 | 所有期間 |
| 直接利回り | 購入価格 | (差損益を考えない) | ― |
直接利回りだけは、値上がり・値下がりを考えず 表面利率 ÷ 購入価格 × 100 です。
例題(表面利率1.0%)
例題1 直接利回り
購入価格98円。
- 1.0 ÷ 98 × 100 ≒ 1.020%
例題2 応募者利回り
発行価格99円、償還期間10年。
- 1年あたりの償還差益 =(100 − 99)÷ 10 = 0.1円
- (1.0 + 0.1)÷ 99 × 100 ≒ 1.111%
例題3 最終利回り
残存期間5年の債券を98円で購入し、償還まで持つ。
- 1年あたりの償還差益 =(100 − 98)÷ 5 = 0.4円
- (1.0 + 0.4)÷ 98 × 100 ≒ 1.429%
例題4 所有期間利回り
98円で購入し、3年後に101円で売却した。
- 1年あたりの売却差益 =(101 − 98)÷ 3 = 1.0円
- (1.0 + 1.0)÷ 98 × 100 ≒ 2.041%
売却価格が購入価格より低ければ、差の部分はマイナスになります。 例えば98円で買って3年後に95円で売れば、(1.0 − 1.0)÷ 98 × 100 = 0% です。
よくあるミス
- 分母に額面の100円を使ってしまう。分母は必ず「買った値段」
- 差益を年数で割り忘れる
- 購入価格が100円より高い(オーバーパー)ときは、償還差がマイナスになり、利回りは表面利率より低くなる
金利と債券価格の関係
- 市場金利が上がると、すでに発行された債券の価格は下がる(利回りは上がる)
- 市場金利が下がると、債券価格は上がる(利回りは下がる)
- 一般に、残存期間が長いほど、また表面利率が低いほど、金利の変化に対する価格の変動は大きい
「価格と利回りは逆に動く」と覚えれば、例題の式からも確かめられます(分母の買った値段が上がれば利回りは下がる)。
信用リスクと格付け
- 発行体の財務が悪化して、利子や元本の支払いが滞るおそれを**信用リスク(デフォルトリスク)**という
- 格付けでBBB(トリプルB)以上を投資適格債、BB(ダブルB)以下を投機的格付債(ハイ・イールド債)と呼ぶ
- 一般に、信用リスクが高い(格付けが低い)債券ほど、価格は低く、利回りは高くなる
覚え方のまとめ
- 利回りは「(利子 + 差益÷年数)÷ 買った値段」の1本の式
- 「応募者は発行価格から、最終は購入から償還まで、所有期間は購入から売却まで」
- 「金利上昇で価格下落」「格付けが低いほど利回りは高い」